2006.05.21

大阪司法書士会定時総会

昨日、大阪司法書士会定時総会が開催されました。
定時総会は、1年間の会の事業を点検し、新年度の事業計画を決定する会議です。おかげさまで、最重点事業を「倫理の確立と実践」「相談業務の改善」とする18年度事業計画・予算案、その他執行部提案議案合計21件、すべて無事ご承認いただきました。理事者の一員として、はじめて執行部席に座り、緊張していたのですが、「人権委員長、答弁せよ」というようなこともなく、ほっとしましたぁ・・・。

さて、本定時総会にて、執行部提案により、大阪司法書士会は、「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱」を制定しました。これは、私たち大阪司法書士会のセクシュアル・ハラスメントに対する姿勢を内外に明示したもので、その内容は、下記のとおりです。具体的には事業計画の中に盛り込まれた(1)セクシュアル・ハラスメントの防止対策の実行、(2)セクシュアル・ハラスメントの相談に対応する苦情相談員制度の今年度中の創設、をすすめていくことになります。
どうぞ、今年度の大阪司法書士会の取組みにご期待ください。
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「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱」

 司法書士は、国民の権利を保護することを使命とする。この使命を果たすため、人権擁護を推進し、すべての人が個人として尊重されるよう、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除を目的として本要綱を定める。

第1.大阪司法書士会の会員は、セクシュアル・ハラスメント(相手方を不快にさせる性的な言動)となるような行為を行わない。

第2.大阪司法書士会の会員は、何人に対しても、その者がセクシュアル・ハラスメントを拒否し又はこれに対して抗議したこと、セクシュアル・ハラスメントに関する相談を行ったことなどセクシュアル・ハラスメントに対する正当な対応をしたことにより、如何なる不利益な取り扱いも行わない。事情の調査に協力した者についても同様とする。

第3.大阪司法書士会の会員は、セクシュアル・ハラスメントの防止に関する研修を受けるように努める。

第4.大阪司法書士会は、セクシュアル・ハラスメント防止及び排除に関して必要な措置を講じ、セクシュアル・ハラスメントの相談に対し、適正に対処する。

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2006.04.28

男女雇用機会均等法改正法案

「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」(いわゆる男女雇用機会均等法の改正法案)の審議が国会で行われているのですが、昨日参議院厚生労働委員会で一部修正(5年後の見直し条項の盛り込み)と付帯決議が付されたうえで、本日の参議院本会議で全会一致で可決されました。連休あけには、衆議院に回るそうです。

法案の詳細については、こちらから(衆議院ホームページ、「立法情報>議案」164国会、閣法68)。原案のみで、まだ、修正分はアップされてないですが・・・。
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)から是正に向けての勧告を受けていた「間接差別の定義」がきちんと盛り込まれるのかというところに注目していたのですが・・。ただし、見直し条項が盛り込まれることになったことは、大きな成果であるし、付帯決議には、“間接差別の定義や法理の適正な理解を進めるため、事業主や労働者等対して、周知徹底に努める。厚生労働省で規定するもの以外にも存在しうるものである。”という内容その他が盛り込まれているようです。

これに先立ち、26日に開催された参議院厚生労働委員会では、住友電工男女賃金差別事件で原告として闘った西村かつみさんが、参考人として出席を求められ、裁判のときの様子、間接差別の実態などを「凛として」訴えられました。この模様は、参議院インターネット審議中継の「ビデオライブラリ」で見ることができます(4月26日の厚生労働委員会、50分すぎくらいから)。連休中に、みなさん、ちょっと視聴されてみてはいかがですか?

間接差別に苦しめられ裁判を闘ってきた西村さんたちをはじめ、全国の女性労働者の生の声が、間接差別事例集としてまとめられ、彼女たちは審議会の段階からの傍聴、国会でのロビー活動、傍聴・・・と様々な運動をされ、それが、国会議員を動かし、委員会での参考人発言につながり、小さな修正かもしれませんけど「見直し条項」が盛り込まれるという成果につながりました。

彼女たちを見ていると、主権者は私たち自身であり、「法を作るのは、私たち自身なんだ」という思いを深くします。まだ、衆議院での審議がありますし、「5年後」を見据えた活動も始まることでしょう。彼女たちの働きかけはまだまだ続きます。

(P・S)ちなみに、セクシュアル・ハラスメントについて定めた均等法21条の規定は、条数が変わって以下のとおりに改正されるようです。
 (職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない
(2項以下、略)

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2006.03.13

セクシュアル・ハラスメントについての参考図書のご紹介

昨日の、高生研近畿ブロックゼミでお目にかかった教員の方から、私がセクシュアル・ハラスメントに関する問題に取り組んでいると聞いたのでとのことで、参考図書の紹介をしてほしいと尋ねられました。
突然だったので、うろ覚えでお答えしたものがありましたので、あらためて、いくつか紹介させていただきます(見ていただいてますか?)。ただし、私個人の関心からの紹介ですので、一般向けでは、もっといい本もあると思います。

まず、職場や教育現場、行政の窓口相談などで、相談や被害解決にあたっている方々向けにとてもわかりやすいQ&A方式のハンドブックがあります。
水谷英夫『セクハラ救済ハンドブック20問20答─法制度を活用して明るい社会に』(信山社、2001年初版)です。950円+税と、お手頃価格ですが、いい本です。
相談にあたる方が、つい、それってセクシュアル・ハラスメントにあたるんですか?と疑問に思いがちなこと=でも、それは本当にセクシュアル・ハラスメントであって、そういう相談対応者の対応が、二次被害を引き起こすことがある・・・ということに、相談対応者が気づくことができる、よくまとまったハンドブックです。(司法書士にも十分役に立ちますよ。)

それから、買ったばかりで、まだ詳しく読んでいませんが、教職員の方々にとても参考になると思われるのが、
子ども性虐待防止市民ネットワーク・大阪編『白書 スクール・セクシュアル・ハラスメント─実態・防止・解決』(明石書店、2001年、1500円+税)です。被害事例や、大阪での取組みなどが、参考になると思われます。
12月に大阪弁護士会の人権シンポジウムで、スクール・セクシュアル・ハラスメントの問題に取り組まれているNPOの方の報告を聞きましたが、被害事例は、本当に深刻です。

そして、やはり、先日来サイドバーでご紹介している、岩波新書の『壊れる男たち』でしょうね。

以上、ご参考になりましたでしょうか?

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2006.02.26

『壊れる男たち』

・・・何て怖いタイトルの本!
・・・本屋さんで別の本を探していて、たまたま見つけたのが、金子雅臣著『壊れる男たち─セクハラはなぜ繰り返されるのか』(岩波新書)です。

本当は、今日はいっぱい仕事を持って帰っていて、時間がない(>_<)はずなのに、お客さんが来てパソコンが使えない時間があったので「ちょっとだけ・・」と思って読み出したら・・・つい、一気に読んでしまいました。

セクシュアル・ハラスメントの相談窓口にいた男性相談担当者の筆者が、被害者の訴えを聞き、加害者に事実関係を確認したときの言い訳のなんてソックリなこと。私も聞き覚えのあるセリフがぞろぞろ・・・。
その「ウソ」を、男性の視点からしっかり見つめている事例の紹介は、すごく説得力がありました。

セクシュアル・ハラスメントの相談を受けることがあるみなさんに、イチオシです。
男性にも女性にも、参考になると思います。

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2005.10.14

「均等法」改正にみなさんの声を(追記あり)

「男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)」の改正審議が行われていて、そろそろ山場である・・ということをご存知でしょうか?

10月21日(金)午前11時~正午まで、「均等法」改正に当事者の声を届けようと共同行動をしている方たちが、国会で院内集会を開催されます。(実は、こっそり? 私も呼びかけ人賛同者に入れていただいてますが、当日は参加できず、残念です・・。)

院内集会当日は、参加していただける審議会委員の皆さんや、議員のみなさんに、できる限り具体的な当事者の声 = たとえば、このようなセクシュアル・ハラスメントの事例があって、今の均等法下ではこんな対応しかしてもらえないので、使用者に事前防止と事後の適正な対処を義務づけて欲しい!・・というような声 = を資料として配付しようと、均等法の限界や不備を感じているみなさんに、その「実態と要望」を教えて欲しいと、呼びかけをされています。みなさんの「声」が、改正案やその審議を動かす力となるかもしれません。

是非、呼びかけ人のHPをご参照のうえ、みなさんの生の声を届けていただければ・・と思います。くわしいお知らせや書式も同HPにあります。簡単な書式なので、難しいことを書こうとおもわなくても大丈夫です。気軽に書いてアクセスしていただいたらいかがでしょうか。

なお、「均等法」改正の審議経過は、厚生労働省HP (労働政策審議会雇用均等分科会の議事録が公開されてます)や、日本フェミニストカウンセリング学会のHPWWN(ワークング・ウィメンズ・ネットワーク)のHPでも公開されています。

(10月23日追記)WWNのブログで、院内集会の様子についての記事がアップされました。間接差別禁止問題、セクシュアル・ハラスメントに対する企業責任と本人救済の義務づけ、非正規雇用を利用した差別的取扱い・・・どれも重い当事者の声です。この院内集会が、均等法の改正の力になることを祈っています。

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2005.07.06

セクシュアル・ハラスメントを防ぐコミュニケーションのあり方

先日、大阪司法書士会からの派遣で「セクシュアル・ハラスメント」問題の講師をしたことを書きました。そのときにも説明をしたことですが・・・
セクシュアル・ハラスメントとは、相手が望まない不快な性的言動のことを言います。「不快」の判断は、言動をされた相手側の受け取り方で判断されます。加害者がたいしたことではないと軽い気持ちで言った言葉でも、被害者を長期に渡って苦しめる深刻な被害を与えることがあります。
ある女性は、同僚の男性たちと「人として」対等であると信じて働いていました。ところが、同僚の男性たちがわいせつな話題を繰り返して笑っているのを聞いているうちに、女性である自分もこのような性的な興味の対象としか見られていないのかとショックを受け、深刻なPTSDを発症し、仕事ができなくなりました。
恐らく、この同僚男性たちは、自分の言葉が女性を傷つけるとは気づいてなかったでしょう。彼らに、相手の立場に立って、相手の気持ちを思いやり、そのうえで発言するという姿勢があったなら、彼女の被害は防げたでしょう。しかし、彼らにはそういう姿勢はなく、彼らが女性を対等に見ていないという「根本思想」は、確実に彼女に伝わりました。
これは、女性被害者のケースですが、女性が男性に、あるいは同性同士でも、相手を不快にする性的言動はありえます。「言葉狩りだ」と反発したり、「ここまでは言ってもいいのかなあ」と限界事例を考えるのではなく、会話や行動の「根本思想」として、相手を思いやり、相手の立場に立つという姿勢を置くことこそ、大切ではないでしょうか。本当に相手の立場に立ったときには、その場に不適切な言葉は出てこないはずです。

誰かと何かを話すとき、そのコミュニケーションによって、何をゴールにしたいのか。自分が発するその言葉によって、相手がどうなることを期待しているのか、そして、その発言の基となった「根本思想」は何か・・・。「考える」ということ、「伝える」ということを、「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載をしている山田ズーニーさんは、このようなコミュニケーションの基本を、伝え続けています。私は、彼女の本や文章を読んでは、自分の書く文章や発言を反省するようにしています。彼女が言う「根本思想」を考えるということは、とても大切だと思ってます。でも、なかなか伝わらない、表現って難しい、と、悩んで考えてばかりです。

このお話しをしたのは、ずっと気になっていたことなのですが、ある人物を紹介するのに「イケメンの○○」「美人の△△」というような表現をすることに、みなさん、違和感ありませんか。セクシュアル・ハラスメントには当たらないのかもしれませんが(私は当たるだろうと思ってますが)、そのような形容詞をわざわざ付けなくとも、その人物の人となりを伝える適切な言葉があるはずです。私は、そのような適切な言葉を、ズーニーさんが言うように「考えて」発言をしていきたいと思います。(と思うのですが、なかなかこれが難しい・・・ムムム。)

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2005.06.14

セクシュアル・ハラスメント

今日は、ある高校の教職員のみなさんを対象とした研修会で、「セクシュアル・ハラスメントの被害をなくすために」というテーマで、講義をさせていただきました。
私は、大阪司法書士会が実施しています「女性とこどものための専門相談会」という相談事業の責任者をしています。そのことを知ったその高校の先生から、大阪司法書士会あてに講師派遣依頼をいただき、今日の研修会が実現しました。
今日の話では、セクシュアル・ハラスメントの相談、訴訟は、司法書士もやるのですよ、という簡裁代理権の話から始めて、セクシュアル・ハラスメントは、それが身体的な性暴力であろうと、職場環境を害する「だけ」と思われるような言動であろうと、それが被害者の心身に与える被害は想像以上に深刻なのだということ、セクシュアル・ハラスメントについて第三者がつい「たいした事ではない」とおもってしまう「神話」がたくさんあること、などをお話しさせていただきました。そして、そのことを知ったみなさんが、被害者の声を聴ける人になってほしい、生徒さんたちにも先生の言葉として、セクシュアル・ハラスメントの真実を伝えていってほしい、というようなお話しもさせていただきました。

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