2005.12.04

ジェンダー法学教育関連懇談会

ジェンダー法学会学術大会の2日目です。今回、仙台まで出かけた一番の目的は、たった50分間ですが、今日のお昼休み中に開催された「ジェンダー法学教育関連懇談会」に参加することでした。

学会の方は、法学部やロースクールで、実際にジェンダー法学を教えておられる学者や弁護士の方がほとんどです。ですから、今巻き起こっているジェンダーバッシングも背景に、これから法曹となるロースクールの学生のみなさんに、選択科目ではない必修科目としてのジェンダー法学を学んでもらわなければと、強い危機感をもって、今回の懇談会が企画されたようです。

ロースクールの充実が重要かつ緊急だということは、とてもよく分かっています。しかし、ジェンダー法学という法律学の最先端の研究成果を、学者と法曹をめざす方だけのものにしていてはいけないと、私は思っています。高校を出て社会に出て行くこどもたち、法学を学ぶ機会のない一般の方々にとっても、ジェンダー法学で研究されている成果を、「科学」として、「法教育」を通じて、伝えていきたい、そのための教材の工夫、手法の工夫をしたい、というのが、私が今、一番考えているテーマで、ジェンダー法学会でも、是非、そのような研究をしていただけないか、というお願いがしたかったのです。それで、浅学非才をかえりみず、福島会の高橋文郎司法書士と共に突撃発言をしてきました。

「法教育」のことと同時に、私たち司法書士は、市民に身近な問題を通して司法の場に関わる法律家ですが、ロースクールを経ているわけではありません。私のように、法学部の出身でない者もたくさんいます。他にも、家事調停委員など、司法に関わりながらも、ジェンダー法学を学ぶ機会が十分に保障されていない法律実務家が現に存在するのですから、こうした専門家に対するジェンダー法学教育にも、視点をもっていただけないか、ということも発言させていただきました。

ところで、今日の午前中の若手研究者による研究報告のひとつに、「女性に関する人権保障と当事者主体の人権救済」というものがありました。法政大学の大西祥世先生の発表です。ちょうど、おとといの大阪弁護士会のシンポジウムのテーマ「人権擁護の地域社会システム」で討論をした問題とも重なる報告で、日本の司法に「被害者の救済」の視点がないこと、この問題の解消に向けてのADRの役割やネットワークの必要性、NGOによる当事者に寄り添って解決にあたる手法の大切さなど、伴走者型職能をめざす司法書士にとっても示唆に富む報告でした。大西先生にも、当事者を大切にしている司法書士のこと、当事者自身のエンパワーに欠かせない「法教育」のことも、今後の研究で深めていただけないかとお願いをさせていただきました。

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2005.12.03

仙台に来てます&「ベアテの贈りもの」

昨日とはうってかわって、開放感に浸っています。早朝の新幹線で、仙台で今日から開催されているジェンダー法学会第3回学術大会にきていて、今、ホテルでゆっくりしてます。
シンポジウム開催時刻にあわせてゆっくり来てもよかったんですが、プレ企画として、「ベアテの贈りもの」の上映会があるということで、大阪での鑑賞の機会を2回も逃していたので、今回こそ見なくては・・と、がんばって早起きして来ました。(飛行機は怖くて乗れないのです・・・みんなにばかにされてますが・・・)

ベアテ・シロタ・ゴードンさんは、ピアニストのレオ・シロタさんの娘で、ベアテさんが5歳の時(1929年)、山田耕筰がレオに日本のピアニストの養成に力を貸して欲しいと招聘し、一家で日本に来られました。ナチスの台頭の時期で、ユダヤ人でもあった一家は、日本で暮らすこととなります。ベアテさんは、太平洋戦争の前に一人でサンフランシスコの大学に入学し、戦後両親と再会するために、GHQの職員となって来日しました。
ベアテさんは、日本で成長し、日本の文化も知り、日本語の通訳もできることから、日本国憲法草案起草委員会のただ一人の女性となり、人権─特に女性の権利についての草案を書く仕事をしました。彼女が起草した原案の中から、第24条(両性の平等)と第14条(法の下の平等)が採用されたのです。ベアテの贈りものとは、日本の女性に対する憲法のこの条文のことです。

「ベアテの贈りもの」は、ベアテさん一家の話を中心に、日本の戦前・戦後の男女平等実現に向けて闘った様々な女性のことを、証言構成のドキュメンタリーで伝える映画です。市川房枝さんのこと、赤松良子さん、緒方貞子さん・・・・ワーキング・ウィメンズ・ネットワークと住友裁判の原告のみなさんの証言もありました。多くの女性の努力の上に、今の(まだ不十分かもしれないけれど)男女平等があり、それは私たちが引き継ぎ、守り、育てていかなくてはならないんだ、ということをすごく感じました。

で、なんと、上映会にお仕事でおつきあいをいただいている大阪の女性弁護士さんが2人。あらあら・・ということで、1日目の学会終了後、3人でお食事会をしました。外は小雪がまっていて・・・仙台は初雪だそうで?・・・いろいろな話をして、おなかがいっぱい。久しぶりに、のんびりとした時間を過ごしています。

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2005.11.13

ショップ・シリング国連CEDAW委員の講演

昨日は、午前中は高校の授業見学でしたけど、午後からは、ドーンセンターでワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)の講演会に行きました。
ショップ・シリングさんはドイツの方で、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)の委員をされてます。CEDAWは、女性差別撤廃条約に基づき設置されている委員会で、2003年には、日本政府がCEDAWから「直接及び間接差別を含む、女性に対する差別の定義が国内法にとりこまれること」など、多くの勧告を受けています。

ちなみに、この「最終コメント」という勧告が出されるにあたっては、日本の多くのNGOが日本でも国連でもたくさんのレポートやロビー活動を展開して、多くの成果を得たのです・・・という話は、赤松良子・山下泰子監修・日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク編『女性差別撤廃条約とNGO─「日本レポート審議」を活かすネットワーク』(明石書店、2003年)を参照ください。

男女雇用機会均等法の改正に「間接差別禁止」を明記させることなど、多くの改善要望を掲げて審議会傍聴・ロビー活動を重ねているWWNですが、ショップ・シリングさんをお招きして、間接差別についての考え方や、政府や企業側の言い訳の間違い、均等法改正のための今後の政府、各省庁へのロビー活動のアドバイスなど、様々なお話をしていただきました。・・・お話は「英語」です。通訳の方はいらっしゃいましたが、熱弁をふるわれるので、通訳の方もたいへんでした。(・・・でも、「英語」の段階でも理解している方もたくさんいらしたようで・・・うらやましいなあって思いました。)

私は、ショップ・シリングさんのお話を聞くのは3回目です。何度お目にかかっても(英語ができないので直接にはお話したことはありませんけど)、すごく輝いていて確信に満ちている素晴らしい女性です。いつも勇気をいただいてます。

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2005.10.14

「均等法」改正にみなさんの声を(追記あり)

「男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)」の改正審議が行われていて、そろそろ山場である・・ということをご存知でしょうか?

10月21日(金)午前11時~正午まで、「均等法」改正に当事者の声を届けようと共同行動をしている方たちが、国会で院内集会を開催されます。(実は、こっそり? 私も呼びかけ人賛同者に入れていただいてますが、当日は参加できず、残念です・・。)

院内集会当日は、参加していただける審議会委員の皆さんや、議員のみなさんに、できる限り具体的な当事者の声 = たとえば、このようなセクシュアル・ハラスメントの事例があって、今の均等法下ではこんな対応しかしてもらえないので、使用者に事前防止と事後の適正な対処を義務づけて欲しい!・・というような声 = を資料として配付しようと、均等法の限界や不備を感じているみなさんに、その「実態と要望」を教えて欲しいと、呼びかけをされています。みなさんの「声」が、改正案やその審議を動かす力となるかもしれません。

是非、呼びかけ人のHPをご参照のうえ、みなさんの生の声を届けていただければ・・と思います。くわしいお知らせや書式も同HPにあります。簡単な書式なので、難しいことを書こうとおもわなくても大丈夫です。気軽に書いてアクセスしていただいたらいかがでしょうか。

なお、「均等法」改正の審議経過は、厚生労働省HP (労働政策審議会雇用均等分科会の議事録が公開されてます)や、日本フェミニストカウンセリング学会のHPWWN(ワークング・ウィメンズ・ネットワーク)のHPでも公開されています。

(10月23日追記)WWNのブログで、院内集会の様子についての記事がアップされました。間接差別禁止問題、セクシュアル・ハラスメントに対する企業責任と本人救済の義務づけ、非正規雇用を利用した差別的取扱い・・・どれも重い当事者の声です。この院内集会が、均等法の改正の力になることを祈っています。

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2005.08.12

「ジェンダー」は学術用語

日本学術会議が、ジェンダーをめぐるバックラッシュに反論して、「男女共同参画社会の実現に向けて─ジェンダー学の役割と重要性」という対外報告(学術会議から外部に向けて発表する報告・・だそうです)をまとめ、本年6月23日に公表されました。日本学術会議のHPに掲載されています。

この情報は、先日の浅倉むつ子先生の講演の際に教えていただきました。
日本学術会議は、学者の「国会」のようなものだそうです。国会議員が平気でジェンダーという言葉をなくせと言ったりする風潮に、学者としての見解をぶつけた、ということらしいです。14頁+資料と分量はありますが、様々な学問分野でジェンダー学が成果を上げていることなど、詳しい記述がされていて、とても勉強になりました。

同様の声明としては、日本女性学会(本年7月16日付「女性学/ジェンダー学」および「ジェンダー」概念バッシングに関する日本女性学会の声明」)や、ジェンダー法学会(本年7月25日付理事会有志声明「ジェンダー法学の役割と重要性に関する緊急声明」)も発表されています。

「ジェンダー」は、世界中で使用されている正式な学術用語で、これを使うなということは、学問の自由に対する侵害ではないかと、私は思っています。夏休みのひととき、ちょっとこのような文章に目をとおしてみませんか?

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2005.07.16

労働法とジェンダー

今日は、早稲田大学の浅倉むつ子教授がワーキング・ウィメンズ・ネットワークのBigイベントの講師として大阪に来られ、「労働法とジェンダー」という講演をされました。

浅倉先生は、ジェンダー法学会の理事をされてます。早稲田大学では、法学部と法科大学院で「ジェンダーと法」などの科目を受け持たれているそうです。そこで、早稲田のジェンダー法学教育の試み、学生たちの受けとめ方、教授側の工夫などの報告が、今日の話の1つめの柱でした。
法律学の授業は理論が主であり、たとえば性暴力被害者、DV被害者などの被害の実態、被害者の心情など、事件の「生」の所を伝えていない。ジェンダー法の講義の中でそれを伝え、「実態」を知ることで、学生さんたちの学ぶ姿勢に大きな影響を与えていることも報告されました。

第2の柱は、浅倉先生のご専門の労働法分野で、ジェンダーの視座から労働法を再構築すると何が問題なのか、という話でした。特に、今年5月に日本労働法学会がはじめて「労働法とジェンダー」というテーマでミニシンポジウム(浅倉先生はコーディネーター)を開催され、興味深い報告がされたことなども紹介されました(これは、近々、学会誌として発行されるそうです)。

講演の後で、質問紙提出方式で1時間ほどの質問タイムがありました。私は、大学の法学教育でのジェンダー法学の取り組みも大切だが、初等中等教育機関での「法教育」にもジェンダー法学を反映させる取り組みができないか、研究されている方はいないか、という質問をしました。浅倉先生のご回答の後で、司会の方から思いがけず、私たちの取り組みを紹介する時間をいただきました。そこで、今、高校の先生方とやっている「労働をどう教えるか」の教材づくりについて、お話しをさせていただきました。

質問タイムには、他にも、セクシュアル・ハラスメント訴訟の原告の方がわからずやの裁判官の話をされたり、男性の学生さんが感想を述べたり、興味深い話がいっぱいありました。

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2005.07.06

セクシュアル・ハラスメントを防ぐコミュニケーションのあり方

先日、大阪司法書士会からの派遣で「セクシュアル・ハラスメント」問題の講師をしたことを書きました。そのときにも説明をしたことですが・・・
セクシュアル・ハラスメントとは、相手が望まない不快な性的言動のことを言います。「不快」の判断は、言動をされた相手側の受け取り方で判断されます。加害者がたいしたことではないと軽い気持ちで言った言葉でも、被害者を長期に渡って苦しめる深刻な被害を与えることがあります。
ある女性は、同僚の男性たちと「人として」対等であると信じて働いていました。ところが、同僚の男性たちがわいせつな話題を繰り返して笑っているのを聞いているうちに、女性である自分もこのような性的な興味の対象としか見られていないのかとショックを受け、深刻なPTSDを発症し、仕事ができなくなりました。
恐らく、この同僚男性たちは、自分の言葉が女性を傷つけるとは気づいてなかったでしょう。彼らに、相手の立場に立って、相手の気持ちを思いやり、そのうえで発言するという姿勢があったなら、彼女の被害は防げたでしょう。しかし、彼らにはそういう姿勢はなく、彼らが女性を対等に見ていないという「根本思想」は、確実に彼女に伝わりました。
これは、女性被害者のケースですが、女性が男性に、あるいは同性同士でも、相手を不快にする性的言動はありえます。「言葉狩りだ」と反発したり、「ここまでは言ってもいいのかなあ」と限界事例を考えるのではなく、会話や行動の「根本思想」として、相手を思いやり、相手の立場に立つという姿勢を置くことこそ、大切ではないでしょうか。本当に相手の立場に立ったときには、その場に不適切な言葉は出てこないはずです。

誰かと何かを話すとき、そのコミュニケーションによって、何をゴールにしたいのか。自分が発するその言葉によって、相手がどうなることを期待しているのか、そして、その発言の基となった「根本思想」は何か・・・。「考える」ということ、「伝える」ということを、「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載をしている山田ズーニーさんは、このようなコミュニケーションの基本を、伝え続けています。私は、彼女の本や文章を読んでは、自分の書く文章や発言を反省するようにしています。彼女が言う「根本思想」を考えるということは、とても大切だと思ってます。でも、なかなか伝わらない、表現って難しい、と、悩んで考えてばかりです。

このお話しをしたのは、ずっと気になっていたことなのですが、ある人物を紹介するのに「イケメンの○○」「美人の△△」というような表現をすることに、みなさん、違和感ありませんか。セクシュアル・ハラスメントには当たらないのかもしれませんが(私は当たるだろうと思ってますが)、そのような形容詞をわざわざ付けなくとも、その人物の人となりを伝える適切な言葉があるはずです。私は、そのような適切な言葉を、ズーニーさんが言うように「考えて」発言をしていきたいと思います。(と思うのですが、なかなかこれが難しい・・・ムムム。)

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2005.06.25

「公序良俗」に負けなかった女たち(その2)

今日は、宮地光子弁護士監修・ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)編『男女賃金差別裁判―「公序良俗」に負けなかった女たち』の出版記念パーティに参加してきました。
住友電工、住友化学の原告と、まだ控訴審係属中の住友金属の原告のみなさん。彼女たちを支えた弁護士、学者、記者、支援者、大勢の「仲間」が集まりました。それぞれの人がそれぞれの思いとやり方でこの裁判に「参加」し、彼女たちがどんどん身につけていくパワーに勇気ももらいながら、共に闘い、勝利和解をかちとったこと、そして、その闘いを多くの人に伝えたいとの思いが、この本の出版につながったことが、多くの人から語られました。笑いあり、時に涙あり?、とてもにぎやかな集いでした。

パーティの前には、同じWWNの主催で、「公平な裁判のために」と題して、アメリカ・ハワイ州のサブリナ・マッケナー裁判官と日本の井垣康弘元裁判官のお話を聞く集いもありました。サブリナさんも、「市民が裁判(官)に問題があると思ったら、その意見を言っていかないとだめ。司法は自分からほど遠いものと思わないで。裁判官は公務員にすぎない。司法は自分の司法なのだ。」と、井垣さんも、「裁判所を変えるには、ユーザーの声を届けることしかない。玄関にある意見箱への投稿からでもよい。」と、司法へ市民が目を向け、意見を出していく大切さを語っていました。

住友裁判の原告と支援者の闘いは、裁判に関わり、裁判を見守ることで、よりよい社会を作る活動、裁判を通じて新しいルールを作り出す活動であり、まさに法教育がめざす「統治主体意識をもった市民の司法への参画」の具体例でもあります。法教育にのめりこんでいる私としては、「普通のOL」だった原告のみなさんのこの闘いを題材に、「司法への参画」の意義を若い世代の人たちに伝える方法はないものか、と考えているところです。

(追記)みなさんにも、是非ともご一読いただきたい本です。536頁、2940円という大作ですが、中身の濃い本です。

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2005.06.24

「公序良俗」に負けなかった女たち

『「公序良俗」に負けなかった女たち』というのは、このたび明石書店から発刊された本の名前です。この本は、住友電工・住友化学の男女賃金差別裁判の記録集です。
住友電工事件の一審判決(大阪地裁・2000年7月31日)は、昭和40年代の男女別コース採用による差別待遇を「性差別を禁じた憲法14条の趣旨に反する」と認定しながら、当時の性別役割分担意識と企業の効率的雇用管理を理由に「公序良俗には違反しない」と断じました。憲法の趣旨に反するとは、憲法違反に他ならないのですが、憲法の私人間適用を否定する立場から、不可解な判決がなされたのです。
原告の女性たち、彼女たちの支援者は、これに負けませんでした。控訴審では、昭和40年代の女性労働者であった支援者たちが、どんなに望んでも働き続けることができなかった悔しさを書いた「女性たちの陳述書」を提出し、「公序良俗」認定の誤りを主張しました。一審判決を批判する国際法、労働法、憲法学等の学者の鑑定意見書や論文も提出されました。そして、原告たちは、2003年7月、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)に渡米し、日本の遅れた実情を訴えるロビー活動もしました。CEDAWは、彼女たちの声も審査に生かし、日本政府への改善勧告(最終コメント)を発表しました。
CEDAWの最終コメントは、「過去の社会意識を前提とする差別の残滓を容認することは社会の進歩に背を向ける結果になる」とする格調高い大阪高裁の「和解勧告」に生かされ、2003年12月24日、控訴審の画期的な勝利的和解へとつながりました。彼女たちのがんばりが裁判所を動かしたのです。そして、電工の和解は、化学の和解にもつながりました。
この本は、原告たちとその弁護団、彼女たちを支援したワーキング・ウィメンズ・ネットワークのみなさんの原稿、そして、裁判に提出された学者の鑑定意見書、女性たちの陳述書、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)委員のショップ・シリングさんの寄稿文、と盛りだくさんの文章と資料による、彼女たちの闘いの記録です。小さいけれど中身の詰まった本です。是非、多くのみなさんに読んでいただきたいと思います。
明日は、この本の出版記念パーティに参加しようと思っています。

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2005.06.14

セクシュアル・ハラスメント

今日は、ある高校の教職員のみなさんを対象とした研修会で、「セクシュアル・ハラスメントの被害をなくすために」というテーマで、講義をさせていただきました。
私は、大阪司法書士会が実施しています「女性とこどものための専門相談会」という相談事業の責任者をしています。そのことを知ったその高校の先生から、大阪司法書士会あてに講師派遣依頼をいただき、今日の研修会が実現しました。
今日の話では、セクシュアル・ハラスメントの相談、訴訟は、司法書士もやるのですよ、という簡裁代理権の話から始めて、セクシュアル・ハラスメントは、それが身体的な性暴力であろうと、職場環境を害する「だけ」と思われるような言動であろうと、それが被害者の心身に与える被害は想像以上に深刻なのだということ、セクシュアル・ハラスメントについて第三者がつい「たいした事ではない」とおもってしまう「神話」がたくさんあること、などをお話しさせていただきました。そして、そのことを知ったみなさんが、被害者の声を聴ける人になってほしい、生徒さんたちにも先生の言葉として、セクシュアル・ハラスメントの真実を伝えていってほしい、というようなお話しもさせていただきました。

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