今日は、大阪東部の府立高校で法律講座です。2年生のみなさんが、14の分科会に分かれてホームルームの時間に「人権講座」に取り組まれました。その中の1つの講座が「消費者問題から人権を考える」というもので、高校の先生と私とで、協働授業をやりました。クラスもバラバラで、担当の先生もはじめての生徒さんばかりで・・・という特殊な授業で、盛り上がるかなあと心配しましたが、先生が先着順の班分けのくじを作ってくれてゲーム感覚で席が決まり、レジュメに工夫をしていて班長さんが自然に決まるしくみになっていたり、生徒さんたちが乗ってきやすい雰囲気を作っていただきました。さすがですね、学校の先生。
「人権」と名付けると、何だかかしこまった授業のように思いがちの高校生のみなさんに、実は、「人権」って、自分のことだよ、ということを分かってもらいたいんだ、というのが、学校の先生の思いでした。
そこで、私が「消費者問題」の消費者って、自分のことなんだよ、という話から始めて、契約についてのいつもの話をしました。「契約をしたことがある人は?」という質問に誰も手が上がらなかったのですが、買物の契約=売買契約という説明をすると、「えーっ。そんなんやったら、毎日してるやんかぁ!」という、うれしい反応があがりました(ヤッタね!)。
そこで、今日は、「借金の契約」の話です。借金は「返す責任があるよね」というとことから始めて、実は、平成16年の1年間に全国で自己破産の申立をした人は何人でしょうか?という質問をレジュメに書いて、ヒントとして、平成16年の日本の推計人口、全国の地方裁判所の数、平成15年の全国の交通事故数と交通事故死者数を書いておきました。「5000人くらい、交通事故死者より少ないと思う」という反応に、21万人という数字を出して、日本人604人に1人・・・「え”ーっ!」と、これまたうれしい反応です(いい子たちです)。
今日は、私が相談を聞いたり自己破産申立を手伝った方々の借金のきっかけとなった事例を構成して、8人の人の借金のきっかけをレジュメに書いてみました。実は破産したという結果を言わずに、どの人のケースだったら、借金してもしかたがないと思うか、他に方法がないのか、班で討論をしてもらいました。ここの進行や意見聴取は学校の先生が仕切ってくれました。さすがです。面白い意見がいっぱい出ましたし、他の班の意見に「それはあかん」とかいうツッコミも結構あって、楽しかったですよ。
みんなの意見を検討する前に、「誰もどこから借りたということに注目しなかったねえ」ということで、年利29%と18%の利息の違いを計算してもらいました(みんな、携帯電話の電卓で計算するんですよ)。そんなに高いのか、とか、実は利息制限法があるんだ、とか、今、弁護士と司法書士で29%はおかしいと運動をしてるんだよ、とか、いろいろ話ました。
そこで、しかたがなかった借金でも、高い利息のところで借りるのとそうでないのと、利息制限法を知っているのといないのと、特に、進学のときは利息がいらないか低い奨学金を選択することの意味、といったこともお話ししました。そして、どうしても収入がないときに、本当に借金しか方法がないのだろうか?ということを考えるヒントの一つとして、たとえば、いきなり会社をクビにならないように、憲法や法律の規定があったり、失業保険や生活保護の制度があったり、そういう法律は、みんなで政治に参加して決めていくんだよ・・・・と、いろいろしゃべりました。
65分授業の50分くらいで終わってね、という打合せでしたが、ほとんど55分使っちゃいました。あと5分くらいで、担当の先生が、どうしてこのテーマの分科会をしたのかという思いを説明してくださり、それもまた、教え子さんとの実体験に基づくお話しで、胸をうたれる話でした。こういう連携プレーの授業は、いいですね。私も勉強になります。
で、感想文を書く時間が少なくなったんですが、白紙の用紙にみんな一生懸命「自分の言葉で」書いてくれて、みんな結構受けとめてくれたようでうれしかったです。最後に一人居残って、いっしょうけんめい書いてくれた生徒さんがいました。「ありがとうございました。おもしろかったです。」と言って帰っていきました。うれしいですね。今日は、いい日です。