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2006.02.26

『壊れる男たち』

・・・何て怖いタイトルの本!
・・・本屋さんで別の本を探していて、たまたま見つけたのが、金子雅臣著『壊れる男たち─セクハラはなぜ繰り返されるのか』(岩波新書)です。

本当は、今日はいっぱい仕事を持って帰っていて、時間がない(>_<)はずなのに、お客さんが来てパソコンが使えない時間があったので「ちょっとだけ・・」と思って読み出したら・・・つい、一気に読んでしまいました。

セクシュアル・ハラスメントの相談窓口にいた男性相談担当者の筆者が、被害者の訴えを聞き、加害者に事実関係を確認したときの言い訳のなんてソックリなこと。私も聞き覚えのあるセリフがぞろぞろ・・・。
その「ウソ」を、男性の視点からしっかり見つめている事例の紹介は、すごく説得力がありました。

セクシュアル・ハラスメントの相談を受けることがあるみなさんに、イチオシです。
男性にも女性にも、参考になると思います。

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2006.02.19

市民法律教室シンポジウム(追記あり)

今日は、全国青年司法書士協議会主催の「市民法律教室シンポジウム」が東京の日司連会館でありました。
私は大阪司法書士会の教員との協働授業づくりの取り組み報告と、日司連初等中等教育推進委員会からの報告を高橋文郎委員長とともに行うということで、昨日の委員会に引き続き、一泊しての参加です。

全青司のみなさんの取り組みとして、(1)児童養護施設における法律教室活動、(2)ホームレスのみなさんへの法律教室活動、(3)小笠原での出張法律教室活動、の各取り組みが紹介されました。特に、児童養護施設での取り組みは、心に残りました。施設で守られているがゆえに社会を知らない(ATMを見たことがない、こづかい管理の訓練がない)こどもたちが、18歳になったらわずかの給付金と貯金を持って「退所」を余儀なくされる、そのこどもたちは、すぐに消費者被害の餌食になってしまう・・・という話。また、虐待体験者などは、おとなとの接触がうまくできないこともあり、外部のおとなとの関係を持てる機会としても、施設側に歓迎されているという話。途中で、こどもさんたちからのお礼の手紙(ファンレター?)が回覧されましたが、「今日、一緒に聞いていた小学生たちは、たぶんまだ話がわからなかっただろうけど、とても大切な話だったから、あの子たちが中学生になったころ、また話に来てやってください・・」というような手紙があって、胸がつまりそうになりました。手弁当で、心も育てる大切な活動をされている全青司のみなさんに、敬意を表したいと思います。

全国の法律教室の取り組みでは、(1)静岡会の生徒さんたちの参加型授業と講師担当チーム結成について、(2)京都の青年会のみなさんの「よのなかの歩き方瓦版」新聞発行の取り組み、(3)岡山会と岡山リーガルサポートによる市民向け法律教室活動の取り組み、(4)北海道女満別の司法書士さんが一人で地元高校の公民科の授業に飛び込んでいった「ひとりでできる法律教室」について、(5)それと私から、大阪会の教員との協働授業の取り組みの経過と、私の今期のおすすめ授業を二つご紹介する、というメニューでした。・・・いつもどおり、法教育の話になると止まらない、私の話で、ずいぶん時間を食っちゃいました。どうも、ごめんなさいです。

日司連の初等中等教育推進委員会からの報告では、高橋文郎委員長から、法律教室活動の歴史、法教育研究会報告書の話、法教育推進協議会になってからの動向、裁判員制度広報にすり替わってきているようなところがあって軌道修正をかけようとしていることなどが報告されました。私からは、もちろん昨日のメインテーマの日本司法支援センター(法テラス)の準備で法教育の課題がまったく抜け落ちてしまっていることを説明し、地元の法テラスに働きかけをしていただけないでしょうか、という訴えをさせていただきました。・・・これもやっぱり、話だしたらとまらない、私の話で、ずいぶん時間をくっちゃいました。かさねがさね、ごめんなさいです。

今年度は、日司連の組織上のいろいろなことがあって、各地の単位会で活動されている講師のみなさんと直にお話しをし、地元の悩みを伺い、アドバイスをさせていただいたり、経験交流や中央の動きをお伝えして・・・ということがほとんどできませんでした。わずかに、先日の消費者被害救済セミナーの分科会でのみなさんとの交流と、本日の全青司のみなさんとの交流だけに終わってしまいました。すごく残念です。でも、今日もそうですが、各地でがんばっているみなさんのお話をうかがうと、本当に同じ思いで・・・勇気がわいてきます。どうもありがとうございました。

(追記)全青司現会長の小澤さんのホームページで、私の発言にも触れていただいてます。
私を「法教育」研究に導いてくれた山田喜代隆さんのことにも触れていただいてます。私も、昨日の帰りの新幹線の中で、山田さんのことを考えていました。・・・ご参考に。

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2006.02.18

法教育と日本司法支援センター(法テラス)

今日は、日本司法書士会連合会の初等中等教育推進委員会(法教育担当の委員会です)の会議のために、東京に来ています。

今日の議題の大半は、4月に設立し10月から本格稼働をする、日本司法支援センター(愛称「法テラス」)に関するものでした。総合法律支援体制(司法ネット)と「法教育」とは、車の両輪、いわば司法制度改革の二本柱ともいうべき関係にあります。どういうことかと言うと・・・。

法や司法制度を自分が主人公として使っていくんだという意識を持った国民(市民)が、自分の力で法や裁判に関する情報や法律専門家の情報を入手しようとしたときに、自分でどこに行けばいいのかを調べるアクセスポイントとなるのが「法テラス」であり、「法テラス」から紹介される情報網とその先の専門家の支援の全体が総合法律支援体制(司法ネット)なのです。この「法や司法制度を自分が主人公として使っていくんだという意識」を育むのが、思考型・社会参加型の特色を持つ「法教育」です。つまり、「法教育」で育まれた市民が「法テラス」にアクセスし、そこから紹介された司法制度や専門家の支援を受けながら「法教育」でつちかった力を使って紛争解決をしていく・・・それが、司法による事後チェック型社会の姿なのです。(よく誤解をされているのですが、「法教育」は、裁判員を養成するための教育ではありません。)

「法テラス」ができました。「法教育」はありません・・・。ということでは、「法テラス」は、ただのたらい回し機関にしかなりません。法律専門家が、市民が「法教育」を受ける機会を保障していく、総合法律支援体制(司法ネット)を構成しているすべての関係者が「法教育」の基礎教養を身に付けている、そういう「法テラス」をこれから作っていかなければ、総合法律支援体制は、絵に描いた餅に成りかねません。

そこで、法務省法教育研究会報告書でもこの点については、「日本司法支援センター」と一項目をあてて指摘しているところです(報告書の26頁、第3、5、(2)①ウ)。

ですが、本日の委員会で得た情報を総合すると、2月16日の大阪のプレ地方協議会で大阪司法書士会の北田会長が「法教育」のことを指摘し、積極的に情報提供をしていきますと言ったのが、全国的にも第一号発言に近いようです。・・・・ということを知って、びっくりしてしまいました。同じ法務省の所管の話だから、当然、みんなで準備をしているのだと思っていたのですが・・・。

全国で、「法教育」に関わっているみなさん。是非、地元の「法テラス」の準備がどうなっているのか、「法教育」と「法テラス」の関係は考えてもらえているのか、少なくとも、関係機関の「法教育」の実施状況や講師リストが情報として地元の「法テラス」のホームページに掲載されるようになっているのか?・・・ちょっと注目してみていただけませんか?

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2006.02.16

日本司法支援センター第2回プレ大阪地方協議会

今日は、大阪弁護士会館にて、日本司法支援センター(愛称「法テラス」)の第2回プレ大阪地方協議会が開催されました。総合法律支援法に基づいて、本年4月に設立され、10月から本格稼働を始める法テラスの準備状況の報告を受け、大阪地方準備会と関係機関との質疑応答、意見交換をするための協議会でした。
私も、大阪司法書士会人権委員長の立場で参加をしてきました。・・・こっそり日司連の法教育担当委員という立場でも参加しているつもりでしたけど(^_^;)

冒頭、日本司法支援センターの理事長就任予定者である金平輝子氏のあいさつから始まり、佐伯照道大阪地方準備会委員長からのあいさつと報告、宮﨑誠日弁連日本司法支援センター推進本部本部長代行からの経過報告に引き続き、大阪司法書士会の北田五十一会長から、準備状況の報告の一つとして、司法書士会の取り組みの現状報告がありました。

北田会長からは、日司連の準備状況の概要をまず説明し、大阪司法書士会としての取り組み報告では、(1)司法書士総合相談センターとしての法テラスの受入体制を準備していること、(2)人権問題では、女性とこどものための専門相談会に引き続き、高齢者の人権問題の取り組みを開始していること、(3)介護保険法に基づき設置される地域包括支援センター、成年後見センター・リーガルサポート大阪支部、「法テラス」との連携を高めつつ市民の司法アクセス権を拡充するため、ワーキングチームで対応策を検討していること、(4)今後の展望として「困ったときには法テラス」と市民の皆様にアクセスしようという姿勢をもっていただくためには「法教育を受ける機会の保障」をすることが重要であると考えていること、などが報告されました。
特に、法教育については、法務省法教育研究会報告書でも指摘された日本司法支援センターと法教育との強い関係、将来展望の指摘を引用し、今年度の大阪司法書士会の高校生法律講座の実施状況の実績もお示ししたうえで、大阪司法書士会として、まずは、講師名簿の整理、講座内容の整理を始めて、法教育の情報提供に備えようとしていることも紹介されました。

法教育の取り組みの重要性については、その後の質疑応答で、市民団体の方からの発言でも指摘がされました。その方のお話では、消費者被害にあった市民がどこに相談してよいか思いついて各種の相談窓口に到達するのはわずか5%というデータがあるそうです。そのような市民が、「法テラス」にどうやってたどりつくのか、宣伝も必要だし、中・長期的な展望として、高校や大学の教育に取り入れるような周知のしくみを検討していかねばならないのではないか、という趣旨の指摘でした。法務省総合法律支援準備室から説明に来られていた小倉真樹上席企画官も、教育も含めて広報を検討していく必要がある、という趣旨の回答をされていました。

大阪地方準備会の皆さんも、法務省準備室も、そして会場の関係機関、市民団体の皆さんも、いずれも「法テラス」が器だけ、たらい回し窓口の一つになるようなことがあってはならない、いつでもどこでも困ったときは「法テラス」と頼りにされ、その情報提供した先の関係機関で適切な対応が受けられる、ましてや窓口担当者や相談員による二次被害などあってはならないことだという、実質の伴う支援機関としていきたいのだ、ということがひしひしと伝わってくる、そんな協議会でありました。

金平予定理事長さんは、この大阪の熱い思いを、どのように受けとめていただいたでしょうか?優しそうな目をした方でしたね。

法教育と「法テラス」、地域包括支援センターとリーガルサポートと「法テラス」。大切な視点であって、その準備に取り組み始めている大阪司法書士会の準備状況について、北田会長が報告したことは、とても意義のあることだったと思います。全国のみなさん、地元のプレ地方協議会では、そういう話は出ていますか??

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2006.02.09

生徒さんたちがシナリオづくり

今日は、大阪南部の府立高校の2年生に、法律講座に行ってきました。
こちらの高校では、秋頃から各クラスで悪質商法についての寸劇のシナリオをつくって、それを題材に司法書士が解説をする形で、法律講座ができないでしょうか・・ということで、相談をいただいて、打合せをした結果、各クラスの担任の先生に担当の司法書士が1名ずつペアをつくり、電話やメールで「どんなシナリオができましたあ??」という問い合わせをしながら、授業をつくりましょう・・・ということで取り組みをしていただきました。
クラスごとの関心にあわせて、すごく凝ったシナリオができたクラス、大阪司法書士会のシナリオ集を利用して作ったもの・・と各クラスそれぞれの授業ができました。で、7人の司法書士がやった授業も、それぞれの工夫で、ぜんぜんちがうのができあがったようです。
私の担当したクラスの生徒さんたちは、すごい舞台設定で、商品もこりにこったシナリオを作ってくれたので、説明もすごい難しいのをしなくちゃあならなくなって、分かりやすい言葉に置き換えてがんばってみましたけど、ちょっと消化不良だったかも?
で、質問は?というと、アルバイトの話が出てきて、・・・そうやん、みんな自分のアルバイトの話でシナリオ作ってくれたらよかったのに・・・(>_<)・・・と思いました。うーん、そういうアドバイスをしてあげたほうがよかったなと反省です。でも、シナリオは、結構面白かったです。

平成17年度の大阪司法書士会の法律講座は、あと数校残ってますが、私の分担は、これで終わりです。
来年度も、みなさん、どうぞよろしくお願いします。

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2006.02.02

消費者問題から人権を考える法律講座

今日は、大阪東部の府立高校で法律講座です。2年生のみなさんが、14の分科会に分かれてホームルームの時間に「人権講座」に取り組まれました。その中の1つの講座が「消費者問題から人権を考える」というもので、高校の先生と私とで、協働授業をやりました。クラスもバラバラで、担当の先生もはじめての生徒さんばかりで・・・という特殊な授業で、盛り上がるかなあと心配しましたが、先生が先着順の班分けのくじを作ってくれてゲーム感覚で席が決まり、レジュメに工夫をしていて班長さんが自然に決まるしくみになっていたり、生徒さんたちが乗ってきやすい雰囲気を作っていただきました。さすがですね、学校の先生。

「人権」と名付けると、何だかかしこまった授業のように思いがちの高校生のみなさんに、実は、「人権」って、自分のことだよ、ということを分かってもらいたいんだ、というのが、学校の先生の思いでした。

そこで、私が「消費者問題」の消費者って、自分のことなんだよ、という話から始めて、契約についてのいつもの話をしました。「契約をしたことがある人は?」という質問に誰も手が上がらなかったのですが、買物の契約=売買契約という説明をすると、「えーっ。そんなんやったら、毎日してるやんかぁ!」という、うれしい反応があがりました(ヤッタね!)。

そこで、今日は、「借金の契約」の話です。借金は「返す責任があるよね」というとことから始めて、実は、平成16年の1年間に全国で自己破産の申立をした人は何人でしょうか?という質問をレジュメに書いて、ヒントとして、平成16年の日本の推計人口、全国の地方裁判所の数、平成15年の全国の交通事故数と交通事故死者数を書いておきました。「5000人くらい、交通事故死者より少ないと思う」という反応に、21万人という数字を出して、日本人604人に1人・・・「え”ーっ!」と、これまたうれしい反応です(いい子たちです)。

今日は、私が相談を聞いたり自己破産申立を手伝った方々の借金のきっかけとなった事例を構成して、8人の人の借金のきっかけをレジュメに書いてみました。実は破産したという結果を言わずに、どの人のケースだったら、借金してもしかたがないと思うか、他に方法がないのか、班で討論をしてもらいました。ここの進行や意見聴取は学校の先生が仕切ってくれました。さすがです。面白い意見がいっぱい出ましたし、他の班の意見に「それはあかん」とかいうツッコミも結構あって、楽しかったですよ。

みんなの意見を検討する前に、「誰もどこから借りたということに注目しなかったねえ」ということで、年利29%と18%の利息の違いを計算してもらいました(みんな、携帯電話の電卓で計算するんですよ)。そんなに高いのか、とか、実は利息制限法があるんだ、とか、今、弁護士と司法書士で29%はおかしいと運動をしてるんだよ、とか、いろいろ話ました。

そこで、しかたがなかった借金でも、高い利息のところで借りるのとそうでないのと、利息制限法を知っているのといないのと、特に、進学のときは利息がいらないか低い奨学金を選択することの意味、といったこともお話ししました。そして、どうしても収入がないときに、本当に借金しか方法がないのだろうか?ということを考えるヒントの一つとして、たとえば、いきなり会社をクビにならないように、憲法や法律の規定があったり、失業保険や生活保護の制度があったり、そういう法律は、みんなで政治に参加して決めていくんだよ・・・・と、いろいろしゃべりました。

65分授業の50分くらいで終わってね、という打合せでしたが、ほとんど55分使っちゃいました。あと5分くらいで、担当の先生が、どうしてこのテーマの分科会をしたのかという思いを説明してくださり、それもまた、教え子さんとの実体験に基づくお話しで、胸をうたれる話でした。こういう連携プレーの授業は、いいですね。私も勉強になります。

で、感想文を書く時間が少なくなったんですが、白紙の用紙にみんな一生懸命「自分の言葉で」書いてくれて、みんな結構受けとめてくれたようでうれしかったです。最後に一人居残って、いっしょうけんめい書いてくれた生徒さんがいました。「ありがとうございました。おもしろかったです。」と言って帰っていきました。うれしいですね。今日は、いい日です。

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